義太夫節人形浄瑠璃文楽は、義太夫節という三味線音楽と共に人形が演劇を行う日本の古典芸能です。
ユネスコの世界無形文化遺産にも登録され、三人で一体の人形を操る独創的な表現方法や、深い文学性、豊かな音楽性で海外からの注目も集めています。
舞台写真、「伊賀越道中双六」岡崎の段より唐木政右衛門とお谷
(平成10(1998)年5月 国立劇場)
この文楽の現行作品の多くを執筆したのが浄瑠璃作者・近松半二です。近松半二は、生涯で六十余りの人形浄瑠璃作品に署名を残しています。
また生前から名作者の誉れ高く、没後に編まれた随想『独判断(ひとりさばき)』では、その自由自在な筆の境地をして[嗚呼作者の道至れる哉」と賞されました。
昨今では第 161 回直木賞受賞作の、大島真寿美著『渦妹背山婦女庭訓魂結び』(2019年、文藝春秋)にもその生涯が描かれ、注目を集めています。
『独判断』(右は近松半二肖像)
半二は時代物を得意とし、雄大な構想と重厚かつ変化に富んだ舞台を次々に生み出していきました。そしてその多くが、文楽や歌舞伎の現行演目として伝承され、古典芸能の重要な財産となっているのです。
業績の重要さにも関わらず、これまで近松半二の名を冠する展示は開催されていません。2022年度春季企画展「近松半ニ――奇オの浄瑠璃作者」は、演劇博物館が所蔵する膨大な日本近世演劇資料を利用して、あらためて日本演劇史における近松半二の位置づけを探るものです。
三代目吉田文五郎使用の文楽人形「お染」
信勝画絵看板「妹背山婦女庭訓」
錦絵、長谷川貞信画『日本名物大阪文楽座人形画集』より
「鎌倉三代記」の三浦之助義村・佐々木高綱・時政息女時姫
2022年4月26日(火)~8月7日(日)
無料
10:00~17:00
(火・金曜日は19:00まで)
4月29日(金・祝)、5月3日(火・祝)~5日(木・祝)、6月1日(水)、15日(水)、7月6日(水)、20日(水)
※日程は都合により変更する場合がありますので、最新情報は早稲田大学演劇博物館ホームページをご確認の上ご来場ください。
早稲田大学演劇博物館 2階 企画展示室
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