平和祈念展示資料館では2023年1月11日より企画展「言葉は海を越えて 収容所と日本を結んだ葉書」(Ⅱ期)が開催されます。
1945 年8月の終戦後、満州 (現・中国東北部)・朝鮮北部・南樺太(現・サハリン島南部)・千島にいた日本の軍人・軍属を始めとする約60万の人びとは、ソ連軍によりソ連(現・ロシア)やモンゴルへ連行されました。そして収容所(ラーゲリ)に入れられ、強制労働に従事させられました。その結果、約6万人が異国の地で命を落としました。この出来事は戦後強制抑留(シベリア抑留)と呼ばれます。
’46年12月の米ソ協定の成立により、ほとんどの抑留者は’50年4月までに帰還を果たしました。しかし、日本軍や満州国の元高官、スパイ活動・ソ連研究・生物化学兵器の研究に関与した人など、2千数百人はソ連の一方的な「裁判」で「戦争犯罪人 (戦犯)」とされ、’50年以降も引き続き抑留されました。
そうした長期抑留者と呼ばれる人びとは、何年にもわたって家族との連絡を禁じられました。’52年4月にようやく「郵便葉書」と呼ばれる専用の往復葉書のやり取りが認められると、最終引揚船が出る’56 年末まで、家族や友人と何十枚もの葉書を交わしたのです。
本企画展のⅡ期では、長期抑留者と家族をつないだ「郵便葉書」を中心に、長期抑留にまつわる様々な資料を紹介いたします。また、辺見じゅん『収容所から来た遺書』(文藝春秋)や、映画『ラーゲリより愛を込めて』(東宝)などの主人公のモデルとなった山本幡男氏や、その上司で大学の先輩でもあった佐藤健雄氏の資料も展示いたします。是非ご覧ください。
山本幡男氏が妻に宛てた郵便葉書の第1信(複製) (山本幡男氏遺族 所蔵)
長期抑留中に病死した濱田十之助陸軍少将の葉書
収容所で描かれた絵画「卓上静物」(古田卓造 画、2月末まで展示)
2023年1月11日(水) ~ 4月23日(日) 9:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日:月曜日、2月5日
平和祈念展示資料館 企画展示コーナー
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平和祈念展示資料館(総務省委託)
平和祈念展示資料館
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