大正13年(1924)6月に誕生した築地小劇場は、新劇初の本格的な常設の専用劇場であり、同劇場の専属の劇団名でもあります。
新劇の父ともよばれる小山内薫を軸に生まれたこの劇団は、実験的な公演を次々に手掛け、優れた作品の数々や戦前から戦後の演劇界を支えた俳優や劇作家、スタッフなど多くの人材を輩出していましたが、建物は1945年(昭和20年)3月10日の東京大空襲で焼失しました。
今回の企画展「築地小劇場100年―新劇の20世紀―」では築地小劇場創設100年にあたる記念の年に、早稲田演劇博物館所蔵の新劇関連資料が一堂に展示されます。エンパクコレクションから演劇という枠組みにとらわれず、新劇の持つ幅広い世界についても紹介され、新劇とはどのような演劇だったのか、その長い歴史を振り返りつつ「新劇の20世紀」を改めて考える機会となっています。
●新劇とは
明治末に誕生し、大正期には時代の最先端の演劇の潮流を形成、戦後には黄金時代を迎えた、西欧の影響を受けて生まれた演劇ジャンル。台詞による表現と思想に重きを置いた演劇の世界を構築しました。多面的な演劇ジャンルであり、演劇のみならず文学・芸術・音楽・出版・放送などさまざまな文化領域と関わりを持っている、日本の演劇を考えるうえで重要な演劇ジャンルのひとつと言えます。
(左)伊藤熹朔舞台装置図「横面をはられる彼」
(右)「横面をはられる彼」(坂本万七撮影)
(左)築地小劇場外観
(右)「海戦」(坂本万七撮影)
(左)築地小劇場創立当時の葡萄マーク
(中)築地小劇場第1~4回定期公演ポスター
(右)小山内薫デスマスク(ブロンズ)
●関連イベント
築地小劇場100年と文学座ー文学座「摂」上演にちなんで―
日時:2024年10月11日(金)18:30~20:15(開場18:00)
会場:早稲田大学小野記念講堂
出演:新橋耐子・原康義・富沢亜古・荘田由紀(文学座)
大笹吉雄(演劇評論家)・児玉竜一(演劇博物館館長)
WEB:https://enpaku.w.waseda.jp/ex/19293/
2024年10月3日(木)~2025年1月19日(日)
※休館日2024年10月23日(水)、11月1日(金)、4日(月・祝)、6日(水)、20日(水)、12月4日(水)、18日(水)、26日(木)〜2025年1月5日(日)、15日(水)
※日程は都合により変更する場合がありますので、最新情報は早稲田大学演劇博物館ホームページをご確認ください。
10:00〜17:00(火・金曜日は 19:00 まで)
無料
早稲田大学演劇博物館 1 階特別展示室・2 階 企画展示室 I・II
〒169-8050 東京都新宿区西早稲田1-6-1
・JR山手線・西武新宿線「高田馬場」駅(早稲田口)から都営バス「早大正門」行 終点下車徒歩2分
・地下鉄東京メトロ東西線「早稲田」駅下車、徒歩約7分
・都電荒川線「早稲田」駅下車、徒歩約5分
早稲田大学演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点
早稲田大学演劇博物館事務所(6号館2階)
窓口:平日 10:00~16:00
電話: 03-5286-1829(平日9:00~17:00)
FAX: 03-5273-4398
mail:enpaku@list.waseda.jp
〈関連ページ〉