東京オペラシティアートギャラリーでは、2025年1月11日(土)~3月23日(日)まで【「紙の上の芸術」収蔵品展 082 寺田コレクションより】が開催されています。
文字を読む、メモを取る、あるいは何かを拭いたり包んだりするなど、デジタルメディアが発達し、ペーパーレス化が進む現代社会においても、毎日の生活の中で紙に触れない日はないだろう。2000年以上前に中国で発明され、古来より情報の伝達や記録に活用されてきた紙は、私たちの日常に欠かせない身近な素材でありつづけている。美術の表現においても、素描や水彩画、版画の支持体として使われることはもちろん、紙そのものが立体造形の素材となったり、切り貼りしてコラージュや切り絵の作品になったりするなど、様々な表現に用いられ、広がりをもたらしてきた。紙は、原料や大きさ、厚みも多種多様で、その用途も幅広く、今なお多くのアーティストたちの創造力を刺激している。
当館の寺田コレクションにも、紙を使った多彩な作品が収蔵されている。2001年に開催した「収蔵品展009 紙のうえの仕事」のテキストの中で、寺田コレクションの収集を行った寺田小太郎氏は「フォルムに頼りすぎず、あわあわとした色彩の美しいものに惹かれる」* と語っているが、水彩画の美しい滲みや描画を刷り取る版画作品、木炭による柔らかなストロークなどは紙ならではの表現といえるだろう。
今回、ギャラリー3では、水彩画や日本画、紙の立体作品など、紙の表現の特徴を味わえる作品を紹介している。難波田龍起や赤塚祐二、辰野登恵子などは、キャンバス作品の印象が強いが、そのようなアーティストの紙の表現にもぜひ注目してほしい。ギャラリー4では様々な版画の表現を紹介している。硬質で精緻な木口木版、彫るのではなく描いて版を作るリトグラフ、腐食による線の滲み方に特徴が出る銅版画など、版種による表現の違いを楽しんでいただければと思う。
美術の表現において最も身近な紙。素材を見つめ直すと、その多様な可能性が見えてくるのではないだろうか。
(公式ホームページより)
公式ホームページ ▶https://www.operacity.jp/ag/exh/detail.php?id=308
紙の上の芸術|収蔵品展 082 寺田コレクションより
2025年1月11日(土)~3月23日(日)
11:00~19:00(入場は18:30まで)
月曜日(祝休日の場合は翌火曜日)、全館休館日(2月9日(日))
東京オペラシティ アートギャラリー 4F ギャラリー3&4 寺田小太郎メモリアルギャラリー
(新宿区西新宿3-20-2)
●一般 1,400[1,200]円/大学・高校生 800[600]円/中学生以下無料
*同時開催「今津景 タナ・アイル」、「project N97 福本健一郎」の入場料を含みます。
*[ ]内は各種割引料金。
*障害者手帳等をお持ちの方および付添1名は無料。
*割引の併用および入場料の払い戻しはできません。
公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
日本生命保険相互会社
050-5541-8600 (ハローダイヤル)
京王新線 初台駅東口下車 徒歩5分以内
こちらより詳細をご覧いただけます。 ▶https://www.operacity.jp/ag/access/
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